イヤイヤ期のちょっとした言い回し


<イヤイヤ期で使えるちょっとした言い回し>

 

【分割する】
「このお皿のだけキレイに食べてみようか。」
困難の分割は子育て以外でも非常に有用です。個人的にはイヤなら食べないで試してみる時期があってもいいと思います。食べないとお腹が空くということが学べます。

「パンツだけ履いてみようか」

【選択させる】
「こっちの靴下とこっちの靴下,どっちを履く?」
「これやってお風呂に入る?それともあれやってからお風呂に入る?」
結局風呂に入らされる。

【言い換える】だいたいは否定文→肯定文
「ゴミを床にぽいってしたらダメよ」→「ゴミを床にぽいってしなくていいよ」
 狐につままれたようでちょっと訳がわかりませんが,なぜか子供は聞いてくれることがあります。~したらダメよ,は子供にとって耳にタコで,シャットアウトしてしまうような聞きたくないワードなのかも。

「どうして片付けないの?」→「どうやったら片付くかな」

「帰らなきゃダメ!」→「いいよ!これしたら帰ろうね。」
結局もう帰れって言ってる。

「絶対買わないからね!」→「これがほしいのね,覚えておこうね」
 その日は買わずに済む上に,肯定でその場を終えられる。子供って記憶力良いから怖いけど。

【具体的にする】子供は抽象的なこと(特に〇〇はだめ)は理解できず,具体的なことのみ実行可能,理解可能だそうです。

「うろうろしちゃダメ」→「ここでびしっと壁にはりついてて」
「かたづけなさい」 →「これをこの箱に入れてね。」
「勝手に遠くにいっちゃだめ」→「振り返ってお父さんが見えるとこまでなら行っていいよ」
「今日幼稚園で何があった?」→「今日幼稚園で〇〇くんと遊んだ?」
「夜ふかししちゃダメ」→「長い針が12になったら寝ようね」
「うるさくしちゃダメ」→「静かに踊ってもいいよ」

小ワザを使って数秒でもきちんとできたらすかさず褒めるとよいです。つい,エライね!と言ってしまいますが,できたね!のほうが報酬系にならずに済みます。


【遊びへ変換】親は疲れますが,なかなか強力で効いてくれます。

「ちょうどぴったり10秒で着替えられるかやってみる?」
早着替え,スローモーションなどでも行けます。
「どっちが早くお風呂まで行けるか競争しようか」
「おとうさんが今から服を着るのをめっちゃ邪魔するけどちゃんと着れるかな?」
「ズボン隠したけど見つけられたら履いていいよ!」
「にんじんお食事券とお料理は交換になります」
「にんじんを星型にして当たりにする」
「どちらの手に靴下が入っているでしょうか?当てたほうから履いていいよ!」
「トイレにお絵かきした紙を置いたけど,出かける前に見に行こうか」
「おとうさんのマネして食べてみて」

「イヤイヤ期」というあだ名がついてしまっていますが,自我形成のための大切な時期なので実はとことんやりたいようにさせてあげるのが一番だそうです。イヤイヤ期というあだ名はやりたいようにできなくてイヤイヤしてしまっている結果だけを切り取られた悪いネーミングで本質を捉えていません。
現実にはやりたいようにやらせてあげられないことばかりですが,やりたいようにやらせてあげられない理由は保育園の時間が迫っていたり,公共の場で静かにしないと行けなかったり,だいたい大人の都合です。大人の都合の少ないアジアのある農村地域ではイヤイヤ期ではなく,自由にしたいことをして過ごすのでブラブラ期とも呼ばれています。小細工でイヤイヤ期を封じ込めるのではなく,やりたい気持ちを共感してあげるのが一番だそうです。どの本やサイトでもうんざりするくらい共感が大事とばっかり書いてあるので,まぁきっとそうなんでしょう。やりたいという要求ありきで考え,①共感してとことんやらせてみる→②ダメなときは欲求を封じ込めずに遊びや言葉でやりたい欲求を塗り替えて逸らす感じがいいのかなと思いました。